2007年02月06日

Q 忙しい時期に有給休暇の申請がありましたが、応じなければなりませんか

A 会社としては、できる限り労働者の時季指定の希望に沿うよう努力すべきですが、それでも事業の正常な運営を妨げる場合には、休暇の時季を変更するよう指示することができます。


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年次有給休暇は、6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に与えられます。

そして、労働者は、原則として有給休暇を使用する時季を自由に決めることができます。
労基法第39条4項本文には「使用者は、前三項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」と定められています。

しかしながら、労基法第39条4項には、続いて以下のような但書が設けられています。
「ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」

つまり、会社側としては、「事業の正常な運営を妨げる場合」にあたれば、有給休暇の申請を断ることができるのです。

それでは、どのような状態であれば、「事業の正常な運営を妨げる場合」にあたるのでしょうか。

この点、諸判例によれば、「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、有給休暇の申請がなされた日において、有給休暇を申請した労働者の労働が事業の運営にとって不可欠であり、かつ、代替勤務者を確保するのが困難である場合を意味すると解されています。

もっとも、前述のとおり、有給休暇の申請時季は、原則として労働者の自由裁量に委ねられていることから、使用者としてもできる限りの配慮を行うべきとされています。

そのため、勤務割りによる勤務態勢がとられている職場において、使用者として通常の配慮を行えば、代替勤務者を配置する勤務割りを構成できたにもかかわらず、使用者がその配慮を行わなかったために代替勤務者を配置できなかった場合には、使用者は労働者の有給休暇の申請を断ることができません(東京地裁判決平成5年12月22日)。

もっとも、労働者が調整を図ることなく長期間の連続した有給休暇を申請した場合には、使用者としても代替勤務者を確保することが困難であるなどの事情が認められることなどから、「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当する可能性が高まると考えられています(最高裁判決平成4年6月23日)。



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